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BLUE NOTEプレミアム復刻シリーズ-Days of analogue music 4 [手に入れたレコード]

最近ネットでも雑誌でもやたら目につくのが高音質アナログ盤といわれるものだ。
とくに海外のディストリビューターからは、さまざまなタイトルがリリースされていて、あれもこれもほしくなってしまう。

しかし!!
ほんとうに高音質なのか?

というわけで…
きょうから何回かシリーズで、高音質アナログといわれるリイシュー盤のインプレッションをお届けしたい。
あくまで個人の感想ですから、そこんとこはよしなに…(笑。

第1回は、リリース当初からあちこちで話題になっていたDISC UNIONの「BLUE NOTEプレミアム復刻シリーズ」だ。
みなさんよくご存知かもしれないけれど、簡単にこのシリーズがめざしているものを当時のプレスリリースからひろっておくと、
・「BLUE NOTEという至高の素材を用い究極の復刻盤を作りたい」という担当者の強い思いで
ジャケット/盤/レーベル面/インナースリーヴ等、オリジナル盤に沿った形で忠実に復刻
・1950~60年代当時のプレスマシーンを使用したDEEP GROOVE(溝)の再現
・1557番までの特徴であるFLATエッジの再現
・1545番までの特徴である額縁ジャケットの再現
・オリジナルのマスターテープにこだわったモノラル音源
といった仕様で、第1期5タイトルは2011年10月19日に発売された。
監修に行方さんが入っているのも(マイケル・カスクーナほどじゃないけど^^)信頼性を高めている。

このときぼくはケニー・ドーハムの『'ROUND ABOUT MIDNIGHT AT CAFE BOHEMIA(BLP-1524)』を買って、それがよかったので少しずつ気になるタイトルを購入してきた。
さっきレコード棚からピックアップしてみると全部で11タイトルある(なんか忘れてるような気もするけど)。

第2期 Wayne Shorter/JUJU(4182)
第3期 JUTTA HIPP WITH ZOOT SIMS(1530)
第3期 Kenny Drew/UNDERCURRENT(4059)
第4期 HANK MOBLEY(1568)
第4期 ART BLAKEY AND THE JAZZ MESSENGERS(4003)
第6期 Kenny Dorham/AFRO CUBAN(1535)
第6期 Sonny Red/OUT OF THE BLUE(4032)
第8期 SONNY ROLLINS VOL.1(1542)
第8期 Tina Brooks/TRUE BLUE(4041)
第9期 LEE MORGAN VOL.3(1557)

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このシリーズ、いかにも日本人が考える究極の復刻盤だなあというのが偽らざる感想である。


とくにそう感じるのは「ジャケット/盤/レーベル面/インナースリーヴ等の忠実な再現」という部分だ。
具体的に見ていただこう。
まず、1545番までの特徴である額縁ジャケット

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このタイトルはニス塗りだけれど、1557番になると額縁ではなくなって豪華なコーティング・ジャケットになっている。

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そしてレーベル。

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あえて往年のモノラル用プレスマシーンを使うことによって再現したディープ・グルーヴ(深溝)もそうだし、レーベルの色合いも、今までの国内復刻版とはまったくちがう。
レーベルがちょっと破れているところも本物っぽくていい(笑。
もちろん住所はレキシントンだし、NOTEの「E」の右下にはRマークがない。
個人的にうれしかったのはレコード番号の数字のフォントがオリジナルに近づいていることで(爆)、いちばんわかりやすい「1」や「5」を、下の東芝盤と比べていただきたい(^^;

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こちらは80年代の東芝盤。
こうやって比べてみると、レーベルも迫力がちがうなあ。
溝もないし、住所も「NEW YORK USA」、「E」の右下にはRマークがあって、「JASRAC」や「JIS」マークも入っている。

レーベルでいちばんびっくりしたのはこれ。

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俗に『モーニン』と呼ばれる4003番だが、こんなに周りのレーベルの色と、タイトルの文字の色がちがうなんて!
これぞ担当者のこだわりでしょうね(笑。

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 こちらは90年代の東芝盤

インナースリーヴ。

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おなじ4000番台でも『ART BLAKEY(4003)』はプレインな白スリーヴ、『UNDERCURRENT』になるとアド・インナーになって『JUJU』では「26周年」の文字が入っている。

ディスクも200gの重量盤で、50年代のオリジナルもこんなズッシリとした重みがあったんだろうなあと思わせる。

ジャケットは国内制作なのでキャップと呼ばれる帯の一種もついてるし、

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ディスクはジャケットとは別に、「ぼくのレコード保管法」でも紹介したディスク・ユニオン謹製のダイカット・スリーヴに収められている。

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それでは肝心の音はどうか。

これはさすがにすべてが素晴らしいとはいえませんね。
BLUE NOTEの音、とよく言われるけれど、ぼくはルディ・ヴァン・ゲルダーの録ったピアノの音をいいと思ったことがない。
さすがに4100番台の後半ぐらいになると納得できる録音も出てくるけれど、1500番台はずいぶん録音に落差があると思う。
いいのは管とドラムス、とくにトランペットやサックスの音は、これぞブルー・ノート、これぞRVGという音だ。

さてそんななかで、ぼくがこのシリーズでお勧めするベスト3は…。

まず『LEE MORGAN VOL.3(1557)』

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なんといっても当時18歳だったリー・モーガンのトランペットの瑞々しさったら!
とても57年前の録音とは思えません。
ジジ・グライスのアルトとフルート、ベニー・ゴルソンのテナーも目の前で吹いているといっても大げさではない実在感。
ポール・チェンバースのベースもぶっとく、チャーリー・パーシップのシンバル・ワークも見事に再現されている。
欲をいえば、ベースがもうちょっとタイトだったら…というところかなあ。
ウィントン・ケリーのピアノも1957年という年代の割にはよく録れていると思う。

2枚めは『Wayne Shorter/JUJU(4182)』

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64年の録音なので、1557に比べればずいぶんハイファイになっていると思う。
ただ全体の傾向としては1557と同じで、ピアノがもう少し艶やかで深みのある音に録れていれば申し分ないのだが。
それでも50年前のレコードがこんなに鮮烈な音で聴けるのだから、贅沢というものなのかもしれない。
年代からすればメインはステレオ盤かもしれないが、立体感のある録音で、モノラル=古臭い音というような常識をぶっとばす高音質だ。

最後は『SONNY ROLLINS VOL.1(1542)』

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ぼくは今まで国内盤のアナログやCD、そして輸入盤のCDでこのアルバムを聴いてきたけれど、このプレミアム復刻盤を聴いたときにはほんとうにびっくりした。
おなじルディ・ヴァン・ゲルダーの録音なのに、プレスティッジのロリンズとはぜんぜん音がちがうことに気がついたからだ。
1956年といえば『サキソフォン・コロッサス』を吹き込んで、最初のピークを迎えていたころ。
それに相応しくこのアルバムのロリンズは自信に満ち溢れた堂々たるサックスを聴かせる。
あわててそれまで聴いていた国内盤をターンテーブルに載せたのだが、ヴォリュームを上げるとうるさくなるだけ。
今まで気づかなかったのは、小さい音で聴いていたからのようだ。
そういう新しい発見ができるのも高音質盤のメリットといっていいだろう。

いろいろと述べてきたが、もちろんマイナスの要素もある。
まず価格がやや高いこと。
これだけジャケットやレーベルにこだわれば、5250円もやむをえないのかもしれないが、せめてもう2割安かったらと思う。
マイナスの2つめは、リマスタリング・エンジニアやカッティング・エンジニアの名が一切明かされていないこと。
ディスク・ユニオンは10年前のブルー・ノート創立65周年のときもこだわりのアナログ盤をリリースしている。
そのときはRVGのリマスタリングで、カッティング・エンジニアには小鐡徹を起用して、そのことを明記していた。
無名のエンジニアかもしれないが、責任の所在はきちんと表記すべきだと思う。
3つめは、タイトルによってはそれまでの国内盤とあまりちがわないような音質のものも存在すること。
ジャケットやレーベルだけに5000円は出せませんぞ。

ということで、このシリーズの総合評価は★★★★

みなさんのご意見はいかがだろうか。
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コメント 5

路傍の石

こんばんは。

拙は30代の頃ジャズにどっぷりハマって、ブルーノートは90年代東芝の『最後のブルー・ノート』を結構集めてました。マニアの間では、東芝よりも80年代のキングの方が音がよかったとか、やっぱりオリ盤には敵わないとかいろいろなことが言われてましたが、拙はそのころ、モノ針のDENON DL-102を手に入れて、東芝でもタイトルによっては凄い音を聴かせてくれるものがあることを知りました。『JUTTA HIPP WITH ZOOT SIMS』と『HANK MOBLEY QUINTET』(BN-1550)がそれなんですけど、今回のユニオンのプレミアム復刻シリーズではどうなんだろうか?ということがちょっと気になってます。まぁ、自分で買って確かめてみればいいのでしょうけど、この値段でハズレたら嫌だし・・・(笑)。

ところで、ヴァン・ゲルダーの録音って、遼さんもおっしゃるとおり、ピアノの音が妙に固くて抜けも悪くて変な音なんですよね。クラシックを聴いている人からすれば、こんな音ありえねぇだろ、みたいな。それとタイトルによっても結構録音状態にムラがあって、彫りが深くてメリハリが効いた音があるかと思えば、平板でボケボケのものがあったりとか、すべてが優秀録音というわけでもないみたいなんですね。ブルーノートは、そんなところも人気盤の評価の分かれ目になっているような気がします。

ところでこのプレミアム復刻シリーズも足かけ2年、昨年暮れには第11期のリリースとのことでしたので、高額とはいえ、ブルーノートの人気が衰えないことに驚きを禁じ得ません。ほかのジャズのレーベルでここまでアナログで再発が繰り返されるのってないですもんね。
by 路傍の石 (2014-02-01 22:39) 

parlophone

路傍さん、こんばんはー。

ぼくは77年に権利が東芝からキングに移ったときに買い集めたクチです。
それまでごく少ない国内盤(モノラルが1700円)と直輸入盤(リバティまたはUA盤で2200円)がちらほらあったくらいでしたから、最初に1800円で20枚出たときはほんとにうれしい悲鳴でした!

>そのころ、モノ針のDENON DL-102を手に入れて

90年代にすでにモノ針で再生されていたとは驚きです!
ぼくがDL-102を手に入れたのはたぶん10年ほど前ですね~。

>ほかのジャズのレーベルでここまでアナログで再発が繰り返されるのってないですもんね

あれよあれよという間にブルー・ノートだけ特別になっちゃいましたね。
以前はプレスティッジ、リヴァーサイドと3大レーベルと呼ばれて、それ以外のコンテンポラリーやヴァーヴ、ベツレヘムなんかもさかんに再発されてましたけどね。

さて、JUTTA HIPPですが、ズートのテナーは文句なしにすばらしいです。
ただ、トランペットがやや引っ込んでるのと、なんといってもユタのピアノがちょっとぼんやり聞こえるのが残念なところです。
H.MOBLEY QUINTETは年末に出たばかりなので未聴ですが、RVGマスターの紙ジャケがすごくいい音だったという記憶があるので、たぶんいいんじゃないでしょうか(笑。
by parlophone (2014-02-02 02:01) 

yasu

遼さんこん〇〇は

遼さんの記事読んで、私もBLUE NOTEプレミアム復刻シリーズのホレスパーランの、アススリーを買ってみました。盤は200gなので、ズシリとゆう感覚がうれしいですね。(こうゆう些細なことも、アナログの魅力なんで)音も、再発としてはいい音だと思います。ジョージタッカーの唸るようなベース、。アル・ヘアウッドのブラシも音がたっていて気持ちがいい。まあパーランのピアノは、ブルーノートなので少し塊って聴こえますが、これは仕方がないでしょう。
また、このシリーズの記事楽しみにしています。

by yasu (2014-07-15 16:33) 

parlophone

yasuさん、こんばんはー。

『アス・スリー』はいいですね!
Unionのシリーズは、すべてが手放しでいい、というわけではありませんので、未聴のものはわからないんですが、気に入られたみたいでよかったです。
おそらくUnionの担当者もこのアルバムは気合を入れて制作したんじゃないでしょうか?

>盤は200gなので、ズシリとゆう感覚がうれしいですね

180gもいいですが、やはり200gとなるとまた一段とズシリとした感覚になりますね。

>また、このシリーズの記事楽しみにしています

ありがとうございます。
紹介してないアルバムが何枚かたまったら、また記事にしたいと思います^^
by parlophone (2014-07-15 22:27) 

prez1479

モノラルの音の良さは実際に体感して承知しています。が、この「復刻シリーズ」で一つ気になっていることがあります。それはカッティング装置とプレス加工です。投稿者の方も言われている通り、カッティング・エンジニアの担当責任者の名前が記されていないこと、それに輪を掛けて「モノラル・カッティング」なのか「ステレオ・カッティング」なのか?解らない・・・。

小生、マイクロスコープを持っていない為溝で確かめることもできず、この企画の側近の方との面識も当然ありません。この疑問、どなたかご存知の方メッセージ頂けないでしょうか?

小生、「モノラル・カッティング」と「ステレオ・カッティング」では再生音に大きな違いがあると思います。
by prez1479 (2015-12-31 17:28) 

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